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自立支援 / 福祉用具
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情報更新日 : 2018/07/04 09:30

車いすから立ち上がって度々転んでいた人が、転ばなくなった車いす

Oさん(81歳、男性)は奥さん(78歳)と2人暮らしです。3年ほど前に軽い脳梗塞を患いましたが、マヒはほとんどなく、短期間の入院ですみました。脳血管性認知症の症状が少しあったものの、日常生活に支障はありませんでした。


しかし、約2年前からアルツハイマー型認知症となり、物忘れなどが激しくなると同時に、立ち上がったときや歩いているときにふらつくようになり、半年前から車いすを使うようになりました。


普段は家の中で車いすを操作してトイレなどに1人で行き、ときどき壁につかまって立ち上がって外を見ることもありますが、基本的には静かに車いすに座って、リビングから庭を眺める生活をしていました。車いすを止めると必ず、ブレーキがかかっているかを何度も確認し、足乗せ台も必ず上げて、足を床につけることを神経質なまでに遂行していました。


ところがある日を境に、ブレーキをかけ忘れるようになったため、介護者である奥さんは一日に何度もブレーキをかけるようにとの声がけが必要になりました。しかし、妻がちょっと目を離して声がけが遅れたときに、ブレーキをかけないままの状態で車いすから立ち上がろうとして、ひじかけを手で押してお尻が離れたとたん、車いすが後方に動いてOさんは尻もちをついてしまいました。ケガはなかったものの、後方に動いた車いすが居間の机に突っ込み、机の上に置いてあったコップが割れるなどして、Oさんも妻もショックを受けました。


さらにある日、奥さんに言われ、ブレーキをかけて車いすに座っていたものの、今度は足乗せ台に足を乗せたまま立ち上がって、前方に転んで床に額を打ち、出血をするケガをしました。ケガ自体はたいしたことはなかったものの、Oさんがデイサービスに行かない日には、目が離せなくなってしまったことで、妻は大きなストレスを感じていました。そして、そのタイミングで介護保険の認定の更新が行われ、Oさんは要介護1から要介護2へ、要介護度が変更されました。


担当のケアマネさんは早速、それまで使っていた市販のベッドに替え、特殊寝台を借りるように提案しました。車いすについては、日ごろから頼りにしている福祉用具専門相談員に相談してみたところ、Oさんの状況にピッタリな車いすがあり、しかもそのデモ機もあるということで、Oさんに試してみました。


Oさん宅に運び込まれた車いすは、ブレーキをかけ忘れて立ち上がっても、自動でブレーキがかかり、手動でないとブレーキ解除ができない機能がありました。さらに、足乗せ台に足を乗せたまま立ち上がったときには、足乗せ台が体重によって下りて床に付き、転倒を防ぐ機能もありました。


その機能を説明された奥さんは、Oさんの症状にピッタリ合うということで、その場で借りることに決めました。そしてそれ以後、Oさんが転んだという話は聞かなくなりました。


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金沢 善智

解説者

金沢 善智

かなざわ よしのり

所 属:株式会社 バリオン

役 職:代表取締役

部 署:介護環境研究所(代表兼任)

資 格:医学博士、工学修士(建築学)、理学療法士

元 職:目白大学保健医療学部 教授

    弘前大学医学部 助教授

1984 年:理学療法士として病院勤務

1995 年:東京理科大学大学院工学研究科 修了

     弘前大学医療短期大学部 勤務

2000 年:弘前大学 医学部 助教授

2006 年:目白大学 保健医療学部 教授

2009 年:(株)バリオン設立(代表取締役/介護環境研究所 代表)

2012 年:(株)ニチモ 代表取締役社長(バリオン代表取締役と兼任)

2014 年:(株)ニチモ 代表取締役社長(兼任)退任

2016 年:ケアテクノス(株)代表取締役(バリオン代表取締役と兼任)
     現在に至る。

理学療法士として訪問リハビリを行う形で、認知症介護を含む「在宅介護」および「施設介護」に携わる。

福祉用具等を用いた「持ち上げない介助法」を、多くの特別養護老人ホームなどで指導を行い、介護職の離職率を激減させるとともに、弘前大学と目白大学にて約17 年間、介護職などの腰痛を防ぐための福祉用具を用いた介助法などについて教鞭をとる。また、医学と建築学を融合させた「介護環境整備方法(住宅改修)」「バリアフリー技術」についても、実践と研究を行う。

2009 年、教授職を辞し、介護分野で培ったノウハウの社会還元、特に腰痛などで介護職の離職を防ぐことなどを目的に起業する。現在は、全国で、介護施設および在宅介護に必要な知識と技術の向上のための啓発活動(コンサルティング、研修会など)を行う一方で、排泄支援ロボットのメーカーとして、「自動差排泄処理装置」の製作を行っている。

また、介護施設を展開する会社の経営を託され、「兼任」と言う形態で社長に就任する。施設入居者の75%が認知症者であり、認知症者への「接遇」に特化した介護職員の育成を行う。その後、施設および在宅介護の知識と技術向上に関する啓発活動のさらなる必要性を感じ、介護施設の会社を辞し、介護施設の社長経験を生かした「介護施設運営のコンサルティング」を含めた介護分野にて、さまざまな活動も行っている。

社会活動等

1.福祉住環境コーディネータ協会 理事

2.一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会 理事

3.NPO メイアヘルプユー 理事

4.一般社団法人 労災サポートセンター 評議員

5.一般社団法人 福祉住環境アソーシエョン 理事