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住まい / 住まい
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情報更新日 : 2018/07/02 13:00

高齢者向けの住まいの類型から求められる環境を

先日、近所での活動に参加した折に高齢のご婦人から次のような声を聞きました。

「私もガンを経験したりして、そろそろ高齢者向けの住まいも考えないといけないと思い有料老人ホームを見学してみたんだけど高くてダメだわ。これからどうしていくべきなのか困ったわ。」


おそらく、多くの方が高齢者向けの住まいというものにはどのようなものがあって、自分に何が適しているのかということを判断することが難しいと感じていらっしゃると思います。

そこで、そもそも高齢者向けの住まいはどのような人を対象にしているのかという基本的な点を確認し、どのような高齢者に適した環境になっているかを知ることで、自宅の環境を整える視点を少し考えてみたいと思います。


高齢者の住環境の分類

本コラムの第2回で触れた図についてもう一度触れたいと思います。

地域包括ケアシステム(オリジナル)

 

この図の真ん中の部分をご覧ください。

高齢期に自分の状況に合わせて大きく分けて3つの分類があります。

①住まい

②住まいと医療機関の中間施設

③医療施設


医療施設は、言わずもがな病気の治療が必要な方が入る環境になります。

では、それ以外に代表的なものはどのようなものがあるでしょうか。

それをまとめた表を作成しましたのでこちらをご覧ください。


高齢者住宅・施設の概要

 

上記が主な高齢者住宅・施設の概要になります。

主領域の部分は私の解釈にて分類をしています。

管轄省庁、根拠法、基本的性格、利用できる介護保険区分、主な設置主体、対象者、一人当たり面積、定員数ということで抑えるべきポイントをまとめた表です。


一番下の定員数にまずご注目ください。

この定員数は平成27年度のデータを反映したものですが、多いものから特別養護老人ホーム、有料老人ホーム、介護老人保健施設となります。

それを追う形で認知症高齢者グループホーム、サービス付き高齢者向け住宅となっています。

今回は定員数上位3つの類型について確認したいと思います。


では、いちばん多い特別養護老人ホームからみていきましょう。

特別養護老人ホームの基本的性格は「要介護高齢者のための生活施設」であり、対象者は「65歳以上の者であって、身体上又は精神上著しい障害があるために常時の介護を必要とし、かつ、居宅においてこれを受けることが困難な者」となっています。

「著しい障害」「常時の介護」という言葉から分かるように、必要な介護量がかなり多い方を想定しており、そのような方に適したサービスを提供しているということです。具体的な対象者像としては、2015年の介護保険法改正によって原則として要介護3以上の方とされました(例外的事由が認められれば要介護1~2でも入居が可能です)。

要介護3以上であっても、「居宅においてこれを受けることが困難な者」という条件が後段に付してあるように家庭に介護力がある方は対象としていません。

つまり、自宅で家族と同居しているなど家庭の介護力を補完できる方は、特別養護老人ホームの想定している方ではないということになります。特別養護老人ホームにおいては、介護保険サービスの介護福祉施設サービスが適用され、定額で介護サービスを受けることができます。ここでいう介護福祉サービスとは「施設サービス計画に基づいて行われる入浴、排せつ、食事等の介護その他の日常生活上の世話、機能訓練、健康管理及び療養上の世話」をいいます(介護保険法第8条第27項)。


次に有料老人ホームをみていきましょう。

基本的性格は「高齢者のための住居」で対象者は「老人」となっています。これは老人福祉法で定義されているのですが、老人が何歳からなのかの定義はないことから社会通念によるとされています。

これだけでは漠然としてわからないため、該当するサービスの定義を見てみると「①入浴、排せつ又は食事の介護、②食事の提供、③洗濯、掃除等の家事、④健康管理のいずれかをする事業を行う施設」となっています。

つまり、高齢者のために必要な住環境の要素を4つに分類していることがわかります。

この点、①の介護サービスの提供の仕方によって有料老人ホームは「介護付き」と「住宅型」に分類されます(健康型という類型もありますが、数が少ないので省略します)。「介護付き」というのは、特定施設入居者生活介護という介護保険サービスが適用されることによって、要介護度に応じて決まった定額料金を支払うことで、必要なだけ介護サービスを利用することができるものです。ですから、必要な介護量が多い方であってもお金の心配をすることなく利用することができます。

これに対し、「住宅型」の場合、一般的な自宅と同じように訪問介護や訪問看護などの在宅サービスを利用して介護サービスを受けることになります。1回〇分いくらという個別料金になるため、必要な介護量が多い場合には、それに応じて月額の介護利用料金が変動することになります。要介護度に応じて介護保険利用限度額が設定されているため、それを超過した部分については全額自費扱いになるという特徴があります。


このように有料老人ホームでは、介護サービスの提供の仕方(「特定施設入居者生活介護」の指定の有無)によって大きく2つに分かれます。

また、民間事業者が主に運営をしていることもあり、その他の②~④のサービスの内容の質、量については差があるのが実態です。比較的費用が抑えられたホームから、高級ホームまでバラエティに富んでおり、各ホームのサービス内容について個別に確認する必要があります。


次に高齢者向けの住まいではありませんが、中間施設である「介護老人保健施設」についてみていきましょう。

介護老人保健施設は、医療面と福祉面のサービスを一体として提供し、入院治療後に家庭・社会復帰できるようにすることを目的に、医療機関と特別養護老人ホームの長所を兼ね備えた中間施設として創設された医療提供施設になります。

そのため、基本的性格は「高齢者の在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設」といえます。このような性格をより明確にするため、今回の介護保険法改正によって対象者が「要介護者であって、主としてその心身の機能の維持回復を図り、居宅における生活を営むことができるようにするための支援が必要である者」と明記されることになりました(介護保険法第8条第28項)。地域包括ケアシステムの中で、介護老人保健施設の立ち位置が明確になったものと思います。

 

上位3つの分類を確認しましたが、特別養護老人ホームや有料老人ホームが定住の住まいであるのに対し、介護老人保健施設が在宅復帰のための一時的な住まいであることがわかったかと思います。


そして、定住の住まいで提供されているサービスの要素を確認すると

  • 入浴、排せつ又は食事の介護
  • 食事の提供
  • 洗濯、掃除等の家事
  • 健康管理
  • 機能訓練


といったものであることがわかります。

上記には含まれてはいませんが、重要な要素に医療があります。高齢者の住まいでは、医療機関との連携が重要となることは言うまでもありませんが、運営事業者による直接的な提供ではありません。

 

これらの要素が高齢者の生活環境において重要であり、これらの要素を自分がいる環境で整えることができれば、そこで長く継続して暮らせるということになります。

次回はこの点についてもう少し考えていきたいと思います。

 

 

解説者

永井 秀之

ながい ひでゆき

一般社団法人 全国介護付きホーム協会

事務局

一般社団法人 全国介護付きホーム協会は↓こちらまで

https://www.kaigotsuki-home.or.jp/