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認知症 / Dr.尾﨑の介護の医学知識
2人
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情報更新日 : 2018/05/28 09:00

ステージアプローチ;中等度認知症

ステージアプローチの第2回目は中等度認知症を取り上げます。中等度になると記憶障害の進行はもとより、実行機能障害が目立ち始めるため入浴や更衣などの基本的な生活に支障が出てきます。同時にBPSDも出現しやすい時期でもあるため、この時期は介護の山場と呼ばれています。当事者を支援する医療介護専門職にとっても支援の山場を迎えます。
 

1.

生活

脳病変の進行により、実行機能障害が目立つようになります。実行機能障害とは、物事を順序立てて段取りよく行う機能です。実行機能障害が進行すると、更衣や入浴などの基本的ADLに支障を来たすようになります。服の前後や裏表を間違うようになったり、着る順番を間違えるようになったりします。また、他者とうまくやっていくための社会的認知機能の障害も目立ってきます。社会的認知機能が低下してくると、相手の気持ちをくみ取ることが苦手になり、共感ができなくなります。感情の抑制も苦手になり、自分の行動を客観的に評価できなくなるので、介護者との折り合いが悪くなる原因となります。介護者からすると、このことがBPSDということになります。

また、初期には日付がわからなくなるなど、時間の感覚がなくなってきますが、この頃になると場所の感覚が乏しくなり、迷子になりやすくなったり、さらに進むと人の区別ができなくなったりするようになります。

このように、中等度認知症では見守りから手助けを必要とする場面が増えてくるようになります。本人がどこまでできて、どこからができないのかを見極め、手を出し過ぎないようにしながらも、失敗をしないような支援を行う必要があります。
 

2.

薬物治療

軽度認知症と同様にコリンエステラーゼ阻害薬が主体となります。メマンチンを併用することも多くなります。またBPSDに対応する薬剤も場合によっては、必要となることも増えてきます。また高齢者になると内服薬も多く、なかには必要が無くなっても漫然と内服を継続している場合もあります。しかもその中に、せん妄や認知機能の低下の原因になり得る薬剤が含まれていることも少なくありません。本当に継続が必要な薬剤かどうか、常に確認することは重要だと思います。
 

3.

非薬物治療

この時期になると介護保険サービスの重要性がますます高まります。通所介護や通所リハビリテーションの利用頻度も増えます。ショートステイの利用も、介護者のレスパイトケアに有効です。これらのサービスを利用することで、廃用予防ができるほか、他者との交流によって認知機能障害の進行抑制が期待できます。徘徊などで介護者が苦労しているときに、通所サービスを利用することで徘徊が改善した事例もあります。
 

4.

家族指導とケアなど

前述したように日常生活が困難となってきますが、作業を取り上げてしまうのではなく、本人の作業の手伝いをするというスタンスが必要です。また、失敗が増えてくるようになりますので、本人の承認欲求を満たすような役割を与えたり、うまく作業がこなせた場合は褒めたりすることも重要です。

また、次の段階として施設入所を検討することも増えてくるでしょう。いきなり施設に入所すると、本人が混乱すること多くBPSDの火種となります。そこで、あらかじめ併設されている通所介護やショートステイを利用するなど、準備をしていると移行もスムーズです。

 

 

尾﨑 聡

解説者

尾﨑 聡

おざき さとし

えびな脳神経外科院長

医学博士

山口大学医学部

山口大学医学部大学院卒業

日本脳神経外科学会専門医/日本脳神経血管内治療学会専門医
/日本脳卒中学会専門医認知症サポート医/脳梗塞rt-PA適正使用講習受講

山口県・茨城県・神奈川県にて臨床経験を重ね、
平成15年より横浜新都市脳神経外科病院に勤務
平成23年に同院脳神経外科部長に就任
平成26年えびな脳神経外科開院

えびな脳神経外科は↓こちらまで

http://www.ebinou.com/