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くすり / 薬に関する実例集
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情報更新日 : 2018/02/13 09:00

「在宅における高齢者の薬の問題14」消毒薬

薬局 ルンルンファーマシー

問題


私は妻を失くしてから淋しさから一人の生活となり、昨日のことも忘れることが多くなりました。気がつくと家の中はゴミだらけです。

時々、近所に住む長女が掃除に来てくれますが、あっという間に元のゴミ屋敷に戻ってしまいます。

昨年の夏には、食べ物のかすが異臭を放ち、食中毒にかかりました。

心配した長女が介護保険を申請し、ケア・マネージャーが何かとヘルパーさんを頼んだり、デイ・サービスに週2回通ったりしています。

認知症に関しては、薬を飲むようになりましたが、分からないことが多くなりました。

昨年の秋頃からは時々、便がお尻についていることがあり、冬にはロタウイルス感染による便失禁で、トイレを汚したり、ベッドで食べ物を吐いたりで、孫やヘルパーさんにロタウイルスの下痢をうつしてしまいました。

今年の冬に向かってサービス事業所にみなさんが消毒用のアルコールを用意してくれと言います。

ヘルパーさんは次の利用者の家に移動する前に、シャワーを浴びに帰ったり、かなり気をつけているようです。

どんな消毒薬があるのでしょうか?

 

風邪やインフルエンザ、ロタウイルスのお腹の風邪が流行する季節となりました。

何年も前に、ホテルのお客様がロタウイルス感染症のため、廊下に食べ物を吐き、ホテル側の処理のミスにより、廊下を通った何人かのお客様に感染したという報道を覚えている方は多いと思います。

2017年はO157の感染症も問題になりました。

細菌やウイルスによる感染症は、扱い方を間違えてしまうと、かえって感染を拡げてしまう結果となります。感染症の正しい知識をもち、ご利用者の衛生管理に気をつけましょう。
 

原因


Nさん(男性)は、77歳独居、要介護2

Nさんは、昨年の暮にロタウイルスによる、下痢と嘔吐のお腹の風邪にかかりました。介護にあたったヘルパーさんは咄嗟のことに素手で吐物の処理をしてしまい、忙しい時期でしたので、体力の低下も重なったのか、ヘルパーさんもうつってしまい大変な目にあってしまいました。衛生管理の正しい知識を身につけましょう。

 

感染症対策


薬局では、感染予防のための消毒薬や使い捨てプラスチック手袋やマスク、エプロン、キャップなどを売っております。在宅に関わっている看護・介護職の方が、「どの感染症にどの消毒薬を使えばいいのか」と言って、消毒薬を買いに来られます。施設などでは感染症法の施行により、感染予防のチームなどが作られていますが、在宅の現場でも、消毒薬の正しい使い方や感染症対策が流行の拡大を防ぎます。

使い捨ての手袋の使用は、介護を受ける人、介護の提供を行う人を守るために必要であることを説明しましょう。そのためにも、感染症の事をきちんと理解する必要があります。

 

1.高齢者に多い感染症は

要介護状態の高齢者は、抵抗力が低下していることが多く、感染症にかかりやすい状態の方が多く療養されています。

感染症予防は、疾患によって対処法が違ってきます。
 

  • ウイルスが病気の原因の疾患

インフルエンザ・A、B、C型肝炎・ノロウイルスによる食中毒・ヒト免疫不全ウイルス(エイズ)・ウイルス性肺炎・流行性角結膜炎・RSウイルス感染症など

  • 細菌が病気の原因の疾患

肺結核・腸管出血性大腸菌による食中毒・サルモネラ菌による食中毒・赤痢菌による食中毒・黄色ブドウ球菌感染症(MRSA)・緑膿菌感染症・細菌性肺炎など

  • その他、マイコプラズマ、ダニ、スピロヘータ、真菌が病気の原因の疾患

マイコプラズマ肺炎・ヒゼンタニによる疥癬・スピロヘータによる梅毒、真菌による水虫

 

2.介護者自身の衛生管理

  • 自分自身の健康管理

第1次予防・・・

健康増進(十分な睡眠・栄養改善・適度な運動と休養、予防接種による感染症に対する免疫)

手洗い

うがい

 
  • 消毒液の適正使用・・・利用者に感染させないために
  • プラスチック手袋の利用
  • 医療職が行う「標準予防策」表-1 を行う

 

3.感染症はどのようにうつるのか

  • 接触感染・・・直接(手や器具等で、)病原微生物と接することで感染します。
  • 飛沫感染・・・くしゃみや咳、会話等によって病原微生物が飛び散り感染します。
  • 空気感染・・・病原微生物が空気中をただよい、感染します。
  • 血液感染・・・病原微生物の入った血液のついた針やカミソリ等から感染します。

 

4.消毒薬の種類と特徴

①エタノール(消毒用エタノール)

  • 手指・皮膚の消毒、器具類の消毒のほか、創傷面の殺菌・消毒にも用いられます。
  • 皮膚刺激性が強いため、患部表面を軽く清拭するにとどめ、脱脂綿やガーゼに浸して患部に貼付することは避けます。
  • 粘膜(口唇等)や目の周りへの使用は避ける必要があります。
  • アルコール分が微生物の蛋(たん) 白質を変性させ、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対する殺菌消毒作用があります。
  • 揮発性で引火しやすく、また、広範囲に長時間使用する場合には、蒸気の吸引にも留意する必要があります。


②塩素系殺菌消毒成分

  • 次亜塩素酸ナトリウムやサラシ粉などの塩素系殺菌消毒成分は、強い酸化力により一般細菌類、真菌類、ウイルス全般に対する殺菌消毒作用
  • 皮膚刺激性が強いため、人体の消毒には用いられません。
  • 金属腐食性があり、プラスチックやゴム製品を劣化させます。
  • 漂白作用があり、毛、絹、ナイロン、アセテート、ポリウレタン、色・柄物等には使用を避ける必要があります。
  • 酸性の洗剤・洗浄剤と反応して有毒な塩素ガスが発生するため、混ざらないように注意する必要があります。
  • 吐瀉物や血液等が床等にこぼれたときの殺菌消毒にも適していますが、有機物の影響を受けやすいので、殺菌消毒の対象物を洗浄した後に使用した方が効果的です。


③塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、塩化セチルピリジニウム

  • 逆性石鹸としてもっとも普遍的な消毒薬です。
  • 芽胞菌や結核菌には効果がありません。
  • 石鹸との混合によって殺菌消毒効果が低下するので、石鹸で洗浄した後に使用する場合には、石鹸を十分に洗い流す必要があります。


④グルコン酸クロルヘキシジン、塩酸クロルヘキシジン

  • 一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用があります。
  • 結核菌やウイルスに対する殺菌消毒作用はありません。


⑤クレゾール石鹸

  • 結核菌を含む一般細菌類、真菌類に対して比較的広い殺菌消毒作用があります。
  • ウイルスに対する殺菌消毒作用はありません。
  • 日本薬局方に収載されているクレゾール石ケン液は、原液を水で希釈して用いますが、刺激性が強いため、原液が直接皮膚に付着しないようにする必要があります。
  • 付着した場合には直ちに石鹸水と水で洗い流し、炎症等を生じたときには医師の診療を受けるようにします。


⑥ヨウ素系殺菌消毒成分

  • ヨウ素による酸化作用により、結核菌を含む一般細菌類、真菌類、ウイルスに対して殺菌消毒作用があります。
  • ヨウ素の殺菌力はアルカリ性になると低下します。
  • 石鹸等との併用する場合には、石鹸分をよく洗い落としてから使用します。
  • 外用薬として用いた場合でも、まれにショック(アナフィラキシー)やアナフィラキシー様症状のような全身性の重篤な副作用を生じることがあります。
  • ヨウ素に対するアレルギーの既往がある人では、使用を避ける必要があります。

 

 

くすり こぼれ話

 

消毒薬一覧表

消毒薬一覧表

 

 

藤澤 節子

解説者

藤澤 節子

ふじさわ せつこ

薬局 ルンルンファーマシー 代表取締役

薬剤師・主任介護支援専門員

1973年 北里大学 薬学部薬学科卒、94年10月より調剤室から在宅に飛び出し、以降、訪問薬剤師として在宅医療に従事。

現在、NPO法人DANNKAIプロジェクト副理事長、武蔵野市薬剤師会 監事としても活躍。

主な著書

『介護者が知っておきたい薬のはたらきとつかいかた』(中央法規出版)

『知っておきたい薬の正しい使い方』(社福協)