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食(食べる) / 栄養管理
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情報更新日 : 2018/02/12 09:00

食塩控えめの食事とは、どのような工夫が必要か

日本人は食塩の摂取量が多く、世界的にもトップクラスであることをご存知でしょうか。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」は、その美しさやヘルシーなイメージで世界中から注目されています。低脂肪で食物繊維が多く、大豆や魚を多用していて栄養バランスは良いのですが、保存性を高める知恵(漬物や干物や塩蔵品)やご飯に合う濃い目の味付けになっていることなどによって食塩量が多くなっているという特徴もあります。

食塩は含まれているナトリウムは体に必要なミネラルですが、摂り過ぎると血圧の上昇を招き、心疾患・脳卒中・腎臓病・骨粗鬆症・がん(特に胃がん)などのリスクを高めることになります。これらの疾患を抱えている方はもちろんですが、各種生活習慣病の予防のためにも減塩に取り組むことが望まれます。

1.必要な食塩の量と目標値

私たちは1日にどの位の食塩を摂っているのでしょうか。

本来、私たちの体に必要な食塩の量は1.5gとされていますが、平成28年度の国民健康・栄養調査によると、食塩の平均摂取量は男性10.8g、女性9.2g、全体では9.9gとなっています。必要な量に対してたいぶ多いですね。
 

食塩摂取量の平均値の年次推移(20歳以上)

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しかし、これでも過去からの推移を見ると徐々に減少傾向にあり、行政・企業・個人の取り組みや意識の高まりによるものと思われます。

一方、目標値は成人男性で8g未満、成人女性では7g未満(日本人の食事摂取基準2015年版)に設定されています。しかしこれは目標というよりは上限量に近い意味の暫定的な値です。世界の基準はもっと厳しく、WHO(世界保健機関)では一般成人は5g未満を強く推奨していますが、現在の日本人の摂取状況を考えると困難であろうとのことから、摂取量との中間を取って、この値に設定されました。

尚、上記の話は一般人の目標であり、高血圧の方は6g未満、腎臓疾患のある方では3g~6gとされています。

2.減塩のポイント

減塩というと「味気ない」「美味しくない」というイメージが付きまといますが、ただ食塩を減らすだけでは薄い味の食事になってしまい、満足感も得られません。ちょっとした工夫をするだけで、減塩しながら美味しく食べることができます。

 

①食塩の多いメニューを控えめる

下記のようなメニューは食塩が多い代表格です。食べる頻度を減らしたり1日のうちで2つ重ならないようにしたりすることで大幅に食塩量をカットできます。
 

  • 麺類(ラーメン・そば・うどんなど)

数あるメニューの中でも食塩の多さはトップクラスです。1杯あたり、うどん・そばで4~6g、ラーメンはもっと多く6~8gほどの食塩が含まれています。スープを飲まなければこの半分の食塩量で済みます。

麺自体にも食塩は含まれています。最近は食塩ゼロのうどんやそばもスーパーで見かけるようになりましたので、こういった商品を利用して麺とスープの両方を減塩すると、より効果的です。
 

  • ご飯自体に味が付いているもの・ご飯にかけるメニュー(炒飯・炊き込みご飯・丼・あんかけ・カレーなど)

ご飯は食べる量が多いため、それ自体に味がついているメニューはどうしても食塩の量が多くなります。なるべく白いご飯とおかずの組み合わせにしましょう。酢飯も意外と食塩が多いため、お寿司や海鮮丼に使う醤油の量はなるべく控えましょう。

丼やあんかけご飯なども具の汁がご飯にしみて全体に味が付くので、やはり食塩量が多くなります。牛丼よりも牛皿にするなど、別盛りにすることで減塩効果が期待できます。

カレーやシチューなどは、市販のルーを使わずに手作りにするといいでしょう。カレー粉はほぼ無塩ですし、ホワイトソースも手作りにすると食塩の量を減らすことができます。
 

  • 汁物(味噌汁・スープなど)

味噌汁は1杯1.5~2.0g、スープはおよそ1.2~1.5gの食塩を含んでいます。

可能であれば1日1杯までにし、具だくさんにすることを心掛けましょう。野菜をたっぷり入れることで汁の量が減り、具材の旨味やカリウムも加わるため、減塩のための相乗効果になります。
 

  • 漬物類

多くの方がご存知だと思いますが、漬物も食塩が多いものの代表です。中でも、梅干は1粒で2g以上食塩を含んでいるものもあります。1日3粒食べている方は、1粒に減らすだけで4gの減塩になります。

基本的に定食やお弁当についてくる漬物は食べないようにしましょう。

また、手作りで薄味にしても、たくさん食べてしまえば意味がありません。極力控えるようにし、どうしても食べたい場合は、“薄味のものを3切れ”など量を決めて食べるようにしましょう。

 

②加工食品に要注意

練り製品(かまぼこ・ちくわ・はんぺんなど)・干物・ソーセージ・ハム・ベーコンなどは食材に均一に味がしみ込んでいるため、食塩が多くなっています。なるべく控え、新鮮な肉や魚を使うようにすることがポイントです。
 

例) ハム → ポークソテー

   干物 → 生の魚に塩を振って焼く

  こういった工夫をすることで食塩の量は約半分にできます。
 

上記が難しい場合は、減塩食品を利用することも方法です。最近ではスーパーの店頭でも数多く見かけるようになりました。技術的な進歩によって美味しい物もたくさん登場しており、中には通常の食品と判別が付かないレベルの商品もあります。こういった商品を利用することで、美味しくストレスなく減塩を継続していくことができます。

 

③塩味以外のアクセントを効かせる

塩味を控える代わりに味のアクセントになるものを取り入れると、美味しく食べることができます。
 

  • 酸味・辛味・香味を活用

塩味を補ってくれます。

 酸味▶お酢・レモンやゆずなどの柑橘類

 辛味▶唐辛子・こしょう・わさび・しょうが・柚子胡椒・カレー粉など

 香味▶にんにく・しょうが・ねぎ・みょうが・しそ・ハーブ・ごま・青のり・山椒など
 

  • 旨味(天然のだし・食塩無添加のだし)を活用

塩味を控えても旨味をアップすると美味しく感じられます。しかし、だしとしてよく使われている顆粒状のだしの素の約半分は食塩で出来ています。旨味を効かせようと思ってたくさん加えると、一緒に食塩も増えてしまうことになります。これを防ぐためには、削り節や昆布などからだしを取ったり、手軽な物では、だしパックや食塩無添加のだしを使ったりするといいでしょう。
 

  • 香ばしさを生かす

焼き物や揚げ物は出来立ての香ばしさを生かすと、薄味でも美味しく食べることができます。

 

④味付けの仕方を工夫する

ポイントは、食材の表面に味付けをすることです。口に入れた時に舌に接するため味を感じやすく、中が薄味でも気になりません。里芋の煮っころがしや魚の照り焼きなどは、だしで煮て最後に表面だけに調味料を絡めたり、焼き物や揚げ物も下味なしで調理して、食べる直前に味付けをするなどです。

⑤調味料の使い方

ソース・醤油・タレなどは直接かけずに、小皿に取ってつけて食べるようにしましょう。舌に接する部分に味を付けることが出来るため、使用量を減らせる効果があり、使った量も分かりやすくなります。

たくさん使ってしまいがちな方にはスプレー式の容器を使うこともお勧めです。100円ショップやネットショッピングサイトなどで購入できます。1プッシュ0.1mlなど少量ずつ出て均一に味を付けられるので、使い過ぎを防ぐことができます。

 

⑥より食塩の量が少ない調味料を使う

大さじ1杯の醤油とマヨネーズでは含まれる食塩の量は大きく違います。食塩の少ない調味料に替えるだけで減塩になります。調味料は、可能であれば計量した方が望ましいです。
 

例) 青菜の場合  お浸し → マヨネーズ和え

   揚げ物の場合 ソース → ケチャップ
 

醤油やポン酢などはだしで割ったり、減塩調味料に変更したりするのもよいでしょう。

大さじ1杯あたりの食塩の量

 

⑦味にメリハリを付ける

食卓に並ぶ料理を均一に薄味にすると物足りなさを感じて食欲も減退してしまいがちです。1品だけはしっかりと味付けして、他の料理は食塩を控えるようにすると、味にメリハリがついて満足感が高まります。

 

⑧カリウムで排泄を促進

野菜・果物・芋などに含まれるカリウムには、ナトリウムを排出させる働きがあります。

食物繊維も摂れますので、野菜は毎食しっかり、果物や芋も1日1回は食べるようにしましょう。

カリウムは水に溶ける性質があり、茹でたり煮たり長時間水にさらしたりすると逃げていってしまうので、炒めたり電子レンジで加熱したりすると無駄なく摂取できます。

腎臓疾患をお持ちの方はカリウムが制限されている場合があります。担当の医師・管理栄養士に確認してください。

 

 

高齢者では長年の食生活や味覚の低下などもあり、急に薄味にするのは難しいこともありますし、薄味にしたことによって食欲がなくなり、低栄養になってしまう可能性もあります。若年者とは異なり、高齢者においては、高血圧のための減塩よりも低栄養になることの方がその後の状態を大きく左右することになるかもしれません。

また、長年減塩を指示されてきた方では、食事量が減った状態でも減塩を忠実に守っている方もいます。しかし、半人前しか食べていなければ、食塩も半分しか摂らないことになるので、もしかしたら減塩をする必要がなくなっているかもしれません。

6g未満にするのは難しくても、10g摂っていた方が9gにでも8gにでも減らせれば何もしないのとは違います。

是非その方のQOLを低下させないためにも、今一度食生活や減塩目標を確認した上で、継続して行ける方法を取り入れていってください。

 

 

林 裕子

解説者

林 裕子

はやし ゆうこ

悠翔会在宅クリニック 管理栄養士

2006年に相模女子大学を卒業後、給食受託会社に勤務。

その後、埼玉県のクリニックにて外来栄養指導・特定保健指導・介護事業に携わる一方、特定保健指導支援システム開発などにも協力。

2013年4月より悠翔会在宅クリニック勤務。首都圏で訪問栄養士として活動中。