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自立支援 / 福祉用具
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情報更新日 : 2018/02/07 09:00

パーキンソン病で一人暮らしの男性、まる2日間、床で動けず・・・。

一人暮らしのパーキンソン病のAさん(70代、男性、要介護2)は、遠くに暮らす娘さんらの忠告を無視するかのように、介護施設に入ることを拒否し続けました。それは、5年前に亡くなった奥さんの思い出がたくさん詰まった家で暮ら続けたかったからです。
 

Aさんは、薬をしっかりと飲んで、その薬が効いている間は、トイレなどにも歩いて行くことができ、ごはんも自分で食べられます。薬が切れると完全な「寝たきり」、状態となるために、薬が切れる前には自分でベッドに寝て、再び薬が効いて体が動くようになるまで、ベッドの上で過ごします。
 

Aさんは、月、水、金曜日と、週3回の訪問介護と、火、木曜日のデイサービスを利用しています。薬が十分に効いている時間帯は、作り置きされた食事を自力で食べ、薬も飲めます。調子のよい日は、歩行器で近所を散歩することもできます。そんなある日、Aさんに悲劇が起きました。
 

 歩行器で近所を散歩することも
 

ある土曜日のお昼、庭の塀越しに隣の人と話し込んでしまい、いつもの薬の時間から1時間ほど遅くなってしまいました。そして、なかなか急ぐことができない中でも急いで家に入ってベッドに腰を掛け、ベッドのところに置いてある薬を飲もうとしたときに、うっかり薬を床に落としてしまいました。
 

通常であれば、落ちた薬はあきらめて、何日間分も用意してある別の薬を飲むのですが、なぜかこの日は落ちた薬を拾おうとしてしまったのです。そして、前にかがみこんだ瞬間、崩れるように左肩から床に転んでしまいました(姿勢保持反射障害による)。幸い、肩などに痛みはさほどありませんでしたが、気が動転したことと、薬の効きがかなり悪くなっていたことで、起き上がってベッドに戻ることができませんでした。薬が十分に効いている状態であれば、床からベッドに戻ることができるのですが、それがなかなかできません。そして、時間とともに動けなくなり、床の上でほとんど動けなくなっていまいました。
 

Aさんはその土曜日のお昼過ぎから、訪問介護員が来た月曜日のお昼まで、まる2日間、床で動けない状況でした。幸運だったことは、季節が晩春で、朝晩が寒くもなく、暑くもなかったことです。もしこれが真冬であれば、低体温症などになっていたかも知れません。また真夏であれば、脱水で命の危険があったでしょう。
 

今回の教訓としては、「決して、床に落ちた薬を拾おうとしないこと」と、「ベッドの下をはじめ家の中の数か所に、リモコンボタン式の緊急通報装置を置くこと」などでした。
 

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金沢 善智

解説者

金沢 善智

かなざわ よしのり

所 属:株式会社 バリオン

役 職:代表取締役

部 署:介護環境研究所(代表兼任)

資 格:医学博士、工学修士(建築学)、理学療法士

元 職:目白大学保健医療学部 教授

    弘前大学医学部 助教授

1984 年:理学療法士として病院勤務

1995 年:東京理科大学大学院工学研究科 修了

     弘前大学医療短期大学部 勤務

2000 年:弘前大学 医学部 助教授

2006 年:目白大学 保健医療学部 教授

2009 年:(株)バリオン設立(代表取締役/介護環境研究所 代表)

2012 年:(株)ニチモ 代表取締役社長(バリオン代表取締役と兼任)

2014 年:(株)ニチモ 代表取締役社長(兼任)退任

2016 年:ケアテクノス(株)代表取締役(バリオン代表取締役と兼任)
     現在に至る。

理学療法士として訪問リハビリを行う形で、認知症介護を含む「在宅介護」および「施設介護」に携わる。

福祉用具等を用いた「持ち上げない介助法」を、多くの特別養護老人ホームなどで指導を行い、介護職の離職率を激減させるとともに、弘前大学と目白大学にて約17 年間、介護職などの腰痛を防ぐための福祉用具を用いた介助法などについて教鞭をとる。また、医学と建築学を融合させた「介護環境整備方法(住宅改修)」「バリアフリー技術」についても、実践と研究を行う。

2009 年、教授職を辞し、介護分野で培ったノウハウの社会還元、特に腰痛などで介護職の離職を防ぐことなどを目的に起業する。現在は、全国で、介護施設および在宅介護に必要な知識と技術の向上のための啓発活動(コンサルティング、研修会など)を行う一方で、排泄支援ロボットのメーカーとして、「自動差排泄処理装置」の製作を行っている。

また、介護施設を展開する会社の経営を託され、「兼任」と言う形態で社長に就任する。施設入居者の75%が認知症者であり、認知症者への「接遇」に特化した介護職員の育成を行う。その後、施設および在宅介護の知識と技術向上に関する啓発活動のさらなる必要性を感じ、介護施設の会社を辞し、介護施設の社長経験を生かした「介護施設運営のコンサルティング」を含めた介護分野にて、さまざまな活動も行っている。

社会活動等

1.福祉住環境コーディネータ協会 理事

2.一般社団法人 全国福祉用具専門相談員協会 理事

3.NPO メイアヘルプユー 理事

4.一般社団法人 労災サポートセンター 評議員

5.一般社団法人 福祉住環境アソーシエョン 理事