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認知症 / 介護の現場から伝えたい事
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情報更新日 : 2018/01/25 09:00

長谷川和夫先生 「認知症 ありのままの僕」

2017年11月16日読売新聞に掲載された『認知症 ありのままの僕』と題したインタビュー記事をご覧になっただろうか。あの「長谷川式簡易知能評価スケール」を開発された長谷川和夫先生が「長い診療経験から、認知症であることに間違いない」と発病を公表されたのだ。
 

半世紀にわたって認知症の診療と研究に当たってこられた第一人者が、「ショックですか?」と問われて「年をとったんだからしょうがない。長生きすれば誰でもなる。ひとごとじゃないってこと。100歳を超えてピカピカの人もいるが、時間の問題だと思う」。そして、「完全な治療薬が待たれるが、脳の神経細胞は加齢で自然の経過として壊れていくのだから、人為的に、完全に食い止めるのは限界がある。副作用が出る恐れもある。だからありのままを受け止めることがより大切だと思うんだ」と冷静に受け止めておられる。胸が熱くなった。
 

先生が診断基準(長谷川式評価スケール)を作成するために日本各地を回った1970年代は、納屋に閉じ込められたり、精神科病棟で手や腰を縛られていた、隔離と収容と拘束の時代だった。そのような時代から「守るケア」へ、そして今は「共に歩むケア」へ進もうとしている。変遷を見てこられた方が、15年前の講演で「将来、自分が認知症になったらよく観察して、ご報告したい」と言明し、実現された。若年認知症当事者が思いを語られることは多くなったが、高齢当事者はまだまだ少ない。先生が先鞭をつけられた意義は限りなく大きい。
 

失礼ながら、長谷川先生の周辺症状は緩やかだと思う。病気に対する理解と受容ができているからだ。「この病気にだけはなりたくない」と思いこんでいる人が発症したら、混乱し否認を繰り返し、それが周辺症状となって現れる。不幸なことだ。だからこそ「認知症になってもいいじゃないか」と伝えていく必要がある。みんなが認知症を特別なこと恥ずかしいことと受け取らない社会にしたい。本人が受容していても、バカにされたり不適切なケアを受けたら、穏やかではいられない。「対応によって穏やかになる」のは、認知症ケアの基本なのだから。前回、「介護専門職が、『認知症にだけはなりたくない』と思いこまない」とお伝えしたが、先生のカミングアウトでその思いを強くした。
 

今65才の私も、認知症ケアに携わってきたものの責任として、将来認知症になったとき、先生にならって「よく観察して、報告したい」と思う。
 

「ご近所と繋がってささえる 第3回」は次回に。

 

 

小島 美里

解説者

小島 美里

こじま みさと

NPO法人暮らしネット・えん代表理事

介護支援専門員、認知症介護指導者

学生結婚後、自営業の夫を手伝いながら保育、教育、環境等の地域活動にかかわる

1984年に市議会議員に当選(無党派)
全国に先駆けて女性だけの会派を結成
以後、教育、福祉、環境等の市民運動に参加しながら3期つとめる

1990年全身性障がい者と出会い、介助ボランティアグループ結成

1996年、このグループのメンバーと共に、地域の医療機関で訪問診療など地域との連携に熱心な堀ノ内病院の中に在宅介護部門を創設し、「専門職」としての介護を始める

翌年、認知症専用の『ミニデイホーム コスモスの家」を開設

2003年NPO法人暮らしネット・えん設立
立ち上げに必要な資金を地域の方々の協力による「えん債」でまかなう
この資金集めがNPOらしいと評価を受け、2009年に毎日介護賞グランプリを受賞

現在、ケアプランえん(居宅介護支援、障害者相談支援)、ケアサポートえん(高齢者・がい者訪問介護、移送サービス等)、デイホームえん(認知症デイサービス)、グループホームえん(認知症グループホーム)、多機能ホームまどか(小規模多機能型介護)、えんの食卓(配食サービス)、グループリビングえんの森(高齢者生活共同運営住宅)、研修事業、文化事業、認知症カフェなどを運営